お米を美味しく食べる

炊飯の科学 ― お米が美味しいご飯に変わるメカニズム

炊飯器の中では何が起こっているの?

「お米を洗って、水を入れて、炊飯器のボタンを押す」……それだけで美味しいご飯が炊き上がる時代です。でもそもそもどういう理屈で固いお米は美味しいご飯へと変身しているのでしょうか? そのことがしっかり説明できるという方は少数派でしょう。果たして炊飯器の中では何が起こっているのか? 詳しくご紹介します。

炊飯とはお米のデンプンを糊化(こか)作業

水を吸ったお米は熱せられることで次第に膨張します。そのまま加熱を続けると表面が溶け出して糊のように粘りけが出てきます。これを糊化と呼びますが固いお米がふっくらもちもちとしたご飯に変わるのはまさにこの現象によるものなのです。

糊化に必要な量よりも多い水加減で炊くとご飯はやわらかくなり、お粥に近くなります。つまり、糊化に必要な水をちょうど必要な分だけ入れるのが、ご飯を炊く時の正しい水加減というわけです。

お米の特徴を利用した加工米・加工ごはんについてはこちら

糊化には十分な熱も必要

電気炊飯器よりもガス釜や鍋での直火炊きの方が美味しく炊ける、という話を聞いたことがありませんか? これには理由があります。糊化には水だけでなく十分な熱が必要です。以前の電気炊飯器はどうしても火力の面でガス釜などに比べて劣りました。そのため糊化が十分にできず余分な水が残ってしまうためベタッとした食感のご飯になりがちだったのです。

しかし今では電気炊飯器も十分な火力を備えるものが多いので、昔に比べるとずっと美味しいご飯が簡単に炊けるようになりました。

炊飯器のスイッチを入れてから完成まで

(1)炊飯器のスイッチを入れると徐々に釜が熱せられていきます。その熱は水に伝わり、温度差によって対流が始まります。

(2)それによってお米も加熱され始めます。加熱が進むとお米の表面のデンプンが溶け出してきます。糊化の始まりです。

(3)水の温度が均等になると対流も止まります。

(4)表面から始まった糊化がお米の内部でも起こり始めます。当然ながら水はどんどんお米に吸収されると共に水蒸気になって外に出て行きます。

(5)水が少なくなってくると釜の中は水蒸気が充満するようになり、十分な水を吸ったお米はふっくらもちもちとしてきます。

(6)釜の底に水分がなくなって、おこげができる直前になると炊飯が完了。美味しいご飯の炊き上がりです。

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